結論 サービスアパートメントは「共同住宅+定期借家」で、ホテル業より収益安定性が高い投資。東京では港区・千代田区・中央区が外国人駐在員需要の中心で、住宅REIT・私募ファンドが買い手として活発です。

主要立地

サービスアパートメント(広義に駐在員向け家具・家電・サービス付き共同住宅)は、外資系企業集積地と大使館・国際機関集積地に立地が集中します。港区(六本木・赤坂・麻布・元麻布・南麻布・白金)は外資系金融・テック・コンサル・製薬の駐在員需要の中心地で、サービスアパート市場全体の40〜50%を占めます。千代田区(番町・麹町・大手町・神田)はビジネス・大使館需要、中央区(日本橋・八重洲・銀座)は金融・国際ビジネス、渋谷区(広尾・恵比寿・代官山)はクリエイティブ業界外資・ライフスタイル系の需要が中心です。これら4区が「東京サービスアパート4区」と呼ばれ、新規開発・取引の主戦場となります。

区・エリア主な需要源賃料水準(月額)OCC目安標準客室
港区(六本木・赤坂・麻布)外資金融・テック・コンサル・製薬35〜80万円85〜92%40〜80㎡
港区(白金・南麻布・元麻布)富裕層駐在員・大使館50〜150万円83〜90%60〜120㎡
千代田区(番町・麹町)大使館・ビジネス・公的機関40〜90万円85〜90%45〜90㎡
中央区(日本橋・八重洲)金融・国際ビジネス30〜65万円83〜88%38〜70㎡
渋谷区(広尾・恵比寿・代官山)クリエイティブ業界外資・ライフスタイル系35〜75万円82〜90%40〜80㎡

投資特性

サービスアパートメントは「共同住宅+家具家電付帯+ホテル類似サービス+定期借家契約」のハイブリッドアセットで、純粋なホテル業より収益安定性が高く、純粋な賃貸住宅よりイールドが高いポジションにあります。賃料収入は30日以上の定期借家契約(多くは6か月〜2年)が中心で、契約更新時の改定権・解約予告期間(通常3か月)が運営会社に有利な条件で設計されます。外資系企業の業績連動・地政学リスク(駐在員撤退・縮小)が需要変動の主要因で、リーマンショック・COVID初期で稼働率が一時的に大きく下落した過去事例があります。出口は住宅REIT・私募ファンド・コアファンドが買い手で、純粋ホテル投資より50〜100bps低いキャップレートで取引される傾向にあります。

  • 賃料収入の安定:30日以上の定期借家契約、家賃滞納率は法人契約中心で極めて低い
  • 外資系企業業績連動:金融・テック・製薬の業績で需要変動、地政学リスクで撤退・縮小
  • キャップレート水準:港区優良物件で3.5〜4.0%、その他都心区で3.8〜4.5%(純粋ホテルより50〜100bps低い)
  • 出口バイヤー:住宅REIT、私募REIT、コアファンド、外資系PE
  • 運営フィー:家具家電付帯運営は売上の8〜12%、家賃に対する管理運営料は5〜10%が一般的
  • 許認可:純粋な共同住宅(住居系用途地域可)か旅館業(簡易宿所、商業系)かは契約期間・サービス内容で判定

賃料・キャップレートとIRR水準

東京サービスアパートの取引市場は、2010年代後半から外資PE・私募REIT・コアファンドの参入で活発化し、2024〜2026年は供給不足感の中で取引キャップレートが圧縮傾向にあります。港区プライム立地の優良物件は3.5〜4.0%、その他都心区で3.8〜4.5%が市況レンジで、住宅REIT中堅物件は4.5〜5.0%水準です。新築開発のエクイティIRRは8〜12%、既存取得・リノベ型で10〜14%が標準目安。LTV60〜70%、DSCR1.3倍以上が金融機関の融資条件として一般的です(2026年5月時点)。出口想定では、(1)住宅REIT組み入れ、(2)私募ファンド売却、(3)コンドミニアム化区分売却、の3パターンを並行検討するのが定石です。

エリア取引キャップレート目安賃料利回り(NOI/取得価格)主な出口バイヤー
港区プライム3.5〜4.0%3.8〜4.5%住宅REIT・コアファンド
千代田・中央区3.8〜4.3%4.0〜4.8%住宅REIT・私募ファンド
渋谷区3.8〜4.5%4.0〜5.0%私募REIT・コアファンド
その他都心区(新宿・品川等)4.2〜4.8%4.5〜5.3%私募ファンド・地元事業会社

よくある質問

東京のサービスアパートメント投資の特徴は?

港区・千代田区・中央区・渋谷区の4区中心、外国人駐在員ニーズの安定賃料収入(月35〜150万円)、定期借家30日以上、共同住宅扱いで住宅REIT・私募ファンドへの出口。キャップレートは港区プライム3.5〜4.0%、その他都心3.8〜4.8%、純粋ホテル比50〜100bps低い水準(2026年5月時点)。

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