結論 REIT月次は運営形態で見るポイントが異なります。変動賃料・MC型は実績ADR/OCC/RevPARが見やすく、固定賃料は賃料履歴と物件入替がポイント。2026年3月時点の主要ホテルREITの平均RevPARは変動賃料系で前年同月比+8〜12%、首都圏ADRは2.5〜3.0万円台で公表されています。

運営形態別の読み方

運営形態は変動賃料・固定賃料・MC(マネジメント・コントラクト)型の3種に大別されます。変動賃料はGOP連動またはRevPAR連動で賃料が決まり、月次でADR・OCC・RevPARが個別開示されるため、市場全体の業績シグナルとして利用価値が高い。例えばインヴィンシブル投資法人は東京・大阪・京都の個別ホテルADR・OCCを月次開示しており、観光庁宿泊統計より2か月早く市場動向を読めます。固定賃料は5〜20年の長期固定で賃借人(オペレーター)が業績変動リスクを負う構造で、月次資料での業績指標は少なく、賃借人信用力(株主資本・有利子負債比率)と物件の長期競争力が分析対象。MC型は変動賃料に近いが、リスクは所有者側に残るためアップサイドも所有者が取れます。複数REITの併読により、変動賃料系のRevPAR推移=市場の方向感、固定賃料系の物件入替=コア物件の流動性、MC型の運営者交代=オペレーター市場の競争状況、と3層構造で市場全体が見えます。

運営形態主な見るポイント月次開示の濃さ
変動賃料実績ADR/OCC/RevPAR、賃料連動式濃い(物件別)
固定賃料賃料履歴、物件入替、賃借人信用力薄い(賃料額のみ)
MC型実績収益、運営者の業績、フィー水準濃い(GOP開示)

主要ホテルREIT

主要5REITは運営形態・地域分散・スポンサー属性が異なります。ジャパン・ホテル・リート(JHR)は変動賃料・MC型中心、ヒルトン東京お台場やオリエンタルホテル等のフルサービスが主軸で、月次でADR・OCC・RevPARを物件カテゴリ別に開示。インヴィンシブル投資法人はマイステイズ等の変動賃料中心、全国50物件超の集計で東京・大阪・京都の市場ADR推移を月次で開示。星野リゾート・リートは星野リゾート系列の固定賃料中心、温泉旅館・リゾート特化で安定配当。いちごホテルリートはチサンホテル系等の地方シティ中心、固定賃料で利回り重視。大江戸温泉リートは大江戸温泉物語の固定賃料、温泉旅館特化。これら5本を四半期で並列比較すると、(1)変動賃料系から市場の現状ADR/OCC、(2)固定賃料系から長期賃料の安定性、(3)スポンサー別の物件入替戦略が読み取れます。投資判断ベンチマークとしては、各REITの分配金利回り(2026年5月時点で4.0〜5.5%レンジ)と保有物件のキャップレート開示が二大指標です。

REIT運営形態主な物件タイプ分配金利回り目安
JHR変動賃料・MC都市フルサービス4.5-5.5%
インヴィンシブル変動賃料都市セレクト・ビジネス4.0-5.0%
星野リート固定賃料温泉旅館・リゾート4.5-5.0%
いちごホテル固定賃料地方シティ・ビジネス5.0-5.5%
大江戸温泉固定賃料温泉旅館5.0-5.5%
  • ジャパン・ホテル・リート(JHR): 変動賃料・MC型中心、フルサービス
  • インヴィンシブル投資法人: 変動賃料中心、都市ビジネス・セレクト
  • 星野リゾート・リート: 固定賃料中心、温泉・リゾート
  • いちごホテルリート: 固定賃料中心、地方都市
  • 大江戸温泉リート: 固定賃料中心、温泉旅館

よくある質問

REIT月次の見るポイントは?

運営形態別(変動賃料・固定賃料・MC型)の使い分け、実績ADR/OCC/RevPAR、Competitive Set比較、物件入替、運営者交代の動きを追跡します。JHRやインヴィンシブルは変動賃料中心で都心ADR2.5-3万円・OCC83%水準が個別開示、星野リート・いちご・大江戸温泉は固定賃料中心で賃料履歴と賃借人信用力が論点です。

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