結論 セグメント別の収益構造は、シティ(高ADR・料飲含む)、ビジネス(高OCC・客室中心)、リゾート(季節性・施設広め)、アパートメントホテル(長期滞在・運営費軽い)、温泉旅館(食事付き・季節性大)、ライフスタイル系(差別化・ADRプレミアム)。2026年5月時点のキャップレート分布は4.0%台から10%超まで広く、投資判断はセグメント特性と立地で総合判断します。

セグメント別の収益指標(一般実勢)

セグメント別の収益構造はADR・OCC・GOP・FF&Eリザーブの4指標で大きく異なります。シティホテル(フルサービス)はADR3.5〜6.0万円、OCC72〜78%、GOP30〜38%が標準で、料飲・宴会収益が売上の30〜45%を占めるため固定費が重く、F&B粗利率(40〜55%)とミックス管理が利益のカギ。ビジネスホテルはADR1.5〜2.2万円、OCC74〜80%と高稼働だが、客室中心で運営シンプル、GOP35〜45%とセグメント中最も高い水準。リゾートホテルはADR3〜6万円とシティ並みだがOCCは50〜60%、季節変動±20pt超、GOP25〜35%。温泉旅館は1泊2食2.5〜5万円のADRだがOCC30〜40%、食材原価率25〜30%・人件費30%超でGOPは15〜25%と最低。アパートメントホテルは長期滞在中心でOCC80%超、客室清掃頻度減でGOP30〜40%。これらの違いを理解せず一律のCap基準で評価すると、適正評価額が15〜30%ぶれます。

セグメントADR目安OCCGOPマージンFF&Eリザーブキャップレート
シティ(フルサービス)3.5-6.0万円72-78%30-38%売上比4-5%4.0-5.0%
ビジネスホテル1.5-2.2万円74-80%35-45%売上比3-4%4.5-5.5%
リゾートホテル3.0-6.0万円50-60%25-35%売上比5-6%5.0-7.0%
温泉旅館2.5-5.0万円30-40%15-25%売上比5-7%10%超
アパートメントホテル1.2-2.0万円80-90%30-40%売上比2-3%4.5-6.0%
ライフスタイル系2.8-4.5万円70-85%25-35%売上比4-5%4.5-5.5%

セグメント特性の主要論点

セグメント選択の意思決定論点は6つに集約されます。第1に料飲部門の有無と収益貢献で、シティとリゾートはF&Bが売上の30〜45%を占めるが粗利率は40〜55%、料理長・人員確保が経営リスク。ビジネスホテルは朝食のみ運営委託で売上構成5〜10%、運営シンプル。第2に客室仕様と運営コストで、客室サイズ15-20m²のビジネスは清掃15-20分/室、25-32m²のシティは25-40分/室、リゾート35m²超は45分以上、人件費に直結。第3にFF&Eリザーブの重さで、ビジネスは3-4%、シティ・ライフスタイルは4-5%、リゾート・旅館は5-7%必要。第4に季節性の強さで、リゾート・温泉旅館は半期保証等の契約調整が必要。第5に運営委託フィーで、フルサービスは売上比6-10%、セレクト・ビジネスは4-6%、独立系は0-3%。第6に出口時の買い手評価で、東京シティ・ビジネスはJ-REIT、リゾートはPE、温泉旅館は再生ファンド・事業承継系と買い手層がセグメントで明確に分かれます。

論点シティビジネスリゾート/旅館
F&B比率30-45%5-10%30-50%
清掃時間/室25-40分15-20分45分以上
FF&E4-5%3-4%5-7%
運営フィー6-10%4-6%5-8%
主な買い手J-REIT、PEJ-REIT、ファンドPE、再生ファンド
  • 料飲部門の有無と収益貢献(F&B粗利率40-55%)
  • 客室仕様と運営コスト(清掃時間・人件費)
  • FF&Eリザーブの重さ(売上比3-7%)
  • 季節性の強さ(変動幅と契約調整)
  • 運営委託フィーの相場(売上比4-10%)
  • 出口時の買い手評価(セグメント別買い手層)

よくある質問

セグメント別の収益特性は?

2026年5月時点の実勢で、シティホテルはADR3.5-6万円・GOP30-38%・Cap4.0-5.0%、ビジネスホテルはADR1.5-2.2万円・OCC74%・GOP35-45%・Cap4.5-5.5%、リゾートはADR3-6万円・OCC50%台・GOP25-35%・Cap5.0-7.0%、温泉旅館はGOP15-25%・Cap10%超が一般的なレンジです。

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