セグメント別の収益指標(一般実勢)
セグメント別の収益構造はADR・OCC・GOP・FF&Eリザーブの4指標で大きく異なります。シティホテル(フルサービス)はADR3.5〜6.0万円、OCC72〜78%、GOP30〜38%が標準で、料飲・宴会収益が売上の30〜45%を占めるため固定費が重く、F&B粗利率(40〜55%)とミックス管理が利益のカギ。ビジネスホテルはADR1.5〜2.2万円、OCC74〜80%と高稼働だが、客室中心で運営シンプル、GOP35〜45%とセグメント中最も高い水準。リゾートホテルはADR3〜6万円とシティ並みだがOCCは50〜60%、季節変動±20pt超、GOP25〜35%。温泉旅館は1泊2食2.5〜5万円のADRだがOCC30〜40%、食材原価率25〜30%・人件費30%超でGOPは15〜25%と最低。アパートメントホテルは長期滞在中心でOCC80%超、客室清掃頻度減でGOP30〜40%。これらの違いを理解せず一律のCap基準で評価すると、適正評価額が15〜30%ぶれます。
| セグメント | ADR目安 | OCC | GOPマージン | FF&Eリザーブ | キャップレート |
|---|---|---|---|---|---|
| シティ(フルサービス) | 3.5-6.0万円 | 72-78% | 30-38% | 売上比4-5% | 4.0-5.0% |
| ビジネスホテル | 1.5-2.2万円 | 74-80% | 35-45% | 売上比3-4% | 4.5-5.5% |
| リゾートホテル | 3.0-6.0万円 | 50-60% | 25-35% | 売上比5-6% | 5.0-7.0% |
| 温泉旅館 | 2.5-5.0万円 | 30-40% | 15-25% | 売上比5-7% | 10%超 |
| アパートメントホテル | 1.2-2.0万円 | 80-90% | 30-40% | 売上比2-3% | 4.5-6.0% |
| ライフスタイル系 | 2.8-4.5万円 | 70-85% | 25-35% | 売上比4-5% | 4.5-5.5% |
セグメント特性の主要論点
セグメント選択の意思決定論点は6つに集約されます。第1に料飲部門の有無と収益貢献で、シティとリゾートはF&Bが売上の30〜45%を占めるが粗利率は40〜55%、料理長・人員確保が経営リスク。ビジネスホテルは朝食のみ運営委託で売上構成5〜10%、運営シンプル。第2に客室仕様と運営コストで、客室サイズ15-20m²のビジネスは清掃15-20分/室、25-32m²のシティは25-40分/室、リゾート35m²超は45分以上、人件費に直結。第3にFF&Eリザーブの重さで、ビジネスは3-4%、シティ・ライフスタイルは4-5%、リゾート・旅館は5-7%必要。第4に季節性の強さで、リゾート・温泉旅館は半期保証等の契約調整が必要。第5に運営委託フィーで、フルサービスは売上比6-10%、セレクト・ビジネスは4-6%、独立系は0-3%。第6に出口時の買い手評価で、東京シティ・ビジネスはJ-REIT、リゾートはPE、温泉旅館は再生ファンド・事業承継系と買い手層がセグメントで明確に分かれます。
| 論点 | シティ | ビジネス | リゾート/旅館 |
|---|---|---|---|
| F&B比率 | 30-45% | 5-10% | 30-50% |
| 清掃時間/室 | 25-40分 | 15-20分 | 45分以上 |
| FF&E | 4-5% | 3-4% | 5-7% |
| 運営フィー | 6-10% | 4-6% | 5-8% |
| 主な買い手 | J-REIT、PE | J-REIT、ファンド | PE、再生ファンド |
- 料飲部門の有無と収益貢献(F&B粗利率40-55%)
- 客室仕様と運営コスト(清掃時間・人件費)
- FF&Eリザーブの重さ(売上比3-7%)
- 季節性の強さ(変動幅と契約調整)
- 運営委託フィーの相場(売上比4-10%)
- 出口時の買い手評価(セグメント別買い手層)
よくある質問
セグメント別の収益特性は?
2026年5月時点の実勢で、シティホテルはADR3.5-6万円・GOP30-38%・Cap4.0-5.0%、ビジネスホテルはADR1.5-2.2万円・OCC74%・GOP35-45%・Cap4.5-5.5%、リゾートはADR3-6万円・OCC50%台・GOP25-35%・Cap5.0-7.0%、温泉旅館はGOP15-25%・Cap10%超が一般的なレンジです。