セグメント別キャップレート(2026年実勢)
2025年下期からのトレンドとして、東京プライム立地のフルサービスホテルでキャップレートが3%台後半まで圧縮した取引事例が複数報告されています。これは10年JGB利回り1.4%前後に対しスプレッド240〜280bps、エクイティIRR目線で7〜9%程度を確保できる水準で、海外投資家の積極参戦が背景にあります。一方、地方リゾートは運営難易度・FF&E更新負担・季節変動を反映し、表面利回りで6.0〜7.0%、温泉旅館は10〜13%が標準レンジです。買い手別では、J-REITが東京・大阪のミドル〜アッパーミドルを4.2〜5.0%で取得、外資系PEが京都・北海道のラグジュアリーを4.0〜5.5%で取得、国内事業会社が地方シティを5.5〜6.5%で取得する構図が定着しています。
| セグメント | レンジ(2026年5月) | 前年同期比 | 主な買い手層 |
|---|---|---|---|
| 東京シティ(プライム) | 3.8-4.5% | -20-30bps | 外資系PE、J-REIT |
| 東京シティ(セカンダリ) | 4.5-5.5% | -10-20bps | J-REIT、私募ファンド |
| 東京ビジネスホテル | 4.5-5.5% | ±0 | J-REIT、国内ファンド |
| 大阪・京都・福岡シティ | 4.5-6.0% | -10bps | 外資系PE、J-REIT |
| 地方リゾート | 5.0-7.0% | +10bps | 事業会社、再生ファンド |
| 温泉旅館 | 10-13% | ±0 | 再生ファンド、事業承継系 |
追跡する観点
キャップレートの追跡は、出口価格試算とリファイナンス可否判断の両面で重要です。実務上の観点は4つあります。第1にセグメント別レンジの四半期変化、第2にエリア別取引ボリューム(JLL Japan Hotels Investment Reportでは2025年通年の国内ホテル取引額は約8,500億円、外資系比率45%程度と公表)、第3に買い手層の入れ替わり、第4に大型取引(100億円超)のキャップレート開示有無です。特に2026年は外資系PEの売却タイミングが本格化する見込みで、2018〜2020年取得物件のEXIT価格がベンチマークとなります。同時に、運営委託契約(MC)・賃貸借契約(リース)・サブリースの契約形態によって、同じADR・OCCでもキャップレートが50〜150bps変動するため、契約条件の透明性が買い手評価に直結します。
| 観点 | 確認データ | 意思決定への翻訳 |
|---|---|---|
| セグメント別推移 | JLL・CBRE四半期レポート | 保有資産の評価額更新 |
| エリア別取引動向 | 不動産経済研究所、各REIT資料 | 売却タイミング判断 |
| 買い手層別構成 | JLL Capital Markets分析 | 売却プロセス設計(ビッドリスト) |
| 契約形態別差 | 各REITの取得時開示 | 運営委託切替の経済価値試算 |
- セグメント別キャップレートの推移(四半期ベース)
- エリア別の取引動向と平均ディール規模
- 買い手層別(REIT・国内ファンド・海外PE・事業会社)
- 大型取引のキャップレート開示状況
- リース vs MC vs サブリースのスプレッド差
よくある質問
2026年のホテルキャップレート目安は?
2026年5月時点で東京シティホテル4.0-5.5%、ビジネスホテル4.5-5.5%、大阪・京都・福岡4.5-6.0%、地方リゾート6.0-8.0%、温泉旅館10%超が一般的レンジ。10年JGB1.4%前後、スプレッド250-400bpsの環境下で、立地・契約・運営委託形態・GOP水準により上下します。