結論 NOIは「所有者から見た不動産の純利益」を測ります。GOPからマネジメントフィー・固定資産税・保険料・FF&Eリザーブを差し引くと、実際に所有者が手にする収益が見えてきます。建物価値の試算は、想定NOIを出口キャップレートで割り戻すのが標準です。
定義
NOI(Net Operating Income / 純営業収益)は、不動産が生み出す営業収益から、運営に必要な経費(営業費用)を差し引いた純利益です。減価償却・支払利息・税金は控除しません。ホテル不動産の場合、GOPに対してさらに固定資産税・保険料・FF&Eリザーブ・運営委託フィー等を差し引きます。
計算式
NOI = GOP − マネジメントフィー(ベース+インセンティブ)− 固定資産税 − 保険料 − FF&Eリザーブ − その他所有者経費
例: GOP 1.5億円、マネジメントフィー1,500万円、固定資産税2,000万円、保険500万円、FF&Eリザーブ1,000万円の場合、NOI = 15,000 − 1,500 − 2,000 − 500 − 1,000 = 1億円。
建物価値の試算(収益還元法)
建物価値 = 想定NOI ÷ 出口キャップレート
例: NOI 1億円・出口キャップレート5%の場合、建物価値 = 1億 ÷ 0.05 = 20億円。実際の取引価格は、流動性・市場需要・買い手競合・契約条件で変動します。
実務での使われ方
- 取引・売却の価格査定:想定NOI×キャップレートの逆算
- FS・開発判断:開発総コストとNOI×Multiplier(=1/キャップレート)の差分が事業利益
- 融資・銀行の事業性評価:DSCR(NOI÷元利金返済額)で返済能力を測る
- REIT・ファンドの分配原資:NOIから運用報酬・諸経費・支払利息を引いた純利益
NOIで誤りやすい点
- FF&Eリザーブの未差し引き:NOI過大評価につながり、出口価値が楽観的に
- 一過性項目の未調整:補助金・特別損益を平準化しないと正確な評価ができない
- 運営委託フィーの計上漏れ:HMA物件で所有者の手取りを過大評価
- USALI非準拠の科目分類:他物件との比較ができない
関連用語
- GOP ─ NOIの上流指標
- EBITDA ─ 償却前営業利益(NOIに近い概念)
- キャップレート ─ NOIから建物価値を試算する係数
- FF&Eリザーブ ─ NOI算出時に差し引く積立
- USALI ─ NOI算出の標準フレームワーク
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よくある質問
NOIとは何ですか?
NOI(Net Operating Income / 純営業収益)は不動産から得られる純営業収益で、ホテルではGOPからマネジメントフィー・固定資産税・保険料・FF&Eリザーブを差し引いて算出します。建物価値評価の中核指標です。
NOIとEBITDAの違いは?
EBITDAは償却前営業利益、NOIはFF&Eリザーブまで差し引いた値。NOIの方がより不動産投資の視点に立った指標で、出口時のキャップレートと組み合わせて建物価値を試算するのに使います。
NOIから建物価値はどう算出しますか?
想定NOI ÷ 出口キャップレート で建物価値を試算します。例: NOI 1億円・キャップレート5%なら、建物価値は20億円の概算となります。実際の取引価格は流動性・需要・買い手競合で変動します。
最終更新日: 2026年5月8日